臨床研究の推進に関する声明文

2010/11/04 ニュース by biotech

2010年11月4日

報道関係者各位

臨床研究の推進に関する声明文

朝日新聞のがんペプチドワクチン報道に関連して

日本バイオテク協議会

会長 山田 英

朝日新聞10月15日付朝刊一面に『「患者が出血」伝えず 臨床試験中のがん治療ワクチン 東大医科研、提供先に』と題する記事等が掲載されました。この報道に対して、当日本バイオテク協議会の会員であるオンコセラピー・サイエンス株式会社が、10月22日付抗議文において掲載記事には医学的誤り・事実誤認など重大な問題が多数含まれ、患者様の医療不信を徒に煽るものであると抗議されました(http://www.oncotherapy.co.jp/news/20101022_01.pdf)。

日本バイオテク協議会の会員各社は、イノベーティブな医薬品、医療機器、医療技術の開発を通じて国民医療水準の向上に貢献することを目指しております。

がんワクチン療法は、革新的がん治療として世界に先駆けた実用化が期待されている国を挙げて取り組むべき重要事業であります。あってはならないことですが、今回の不適切な報道が事業推進を阻害する可能性があることを危惧します。

当協議会といたしましても、事態の重大性に鑑み、朝日新聞に対して以下の声明を表明することといたします。

・ 臨床研究は、がんをはじめ難病に苦しむ患者様のアンメットニーズにお応えし新薬や新技術を一日でも早くお届けするための日本における有用な方法論のひとつであります。多くの患者様が期待をもって新薬の出現を切望されているなかで、当該記事は臨床研究においてあたかも副作用を隠ぺいしていたかのような誤解を与える報道であり、それによって日本の臨床研究を停滞させ、患者様への期待を損ない、患者様への貢献が遅滞してしまうことを大いに危惧するところであります。責任ある報道機関として、改めて事実を分かりやすく正確に伝えることを求めます。

・ また、バイオベンチャーは発足以来、大学等研究機関の貴重な成果を新たな治療法や治療薬として世の中に送り出すために臨床研究を有効に活用し、大いに成果を上げてまいりました。かかる報道は、臨床研究に従事する大学等研究機関およびバイオベンチャー関係者、医療関係者の士気を阻喪するのみならず、わが国においてようやく緒についたばかりの臨床研究の育成に徒に水を差すものであります。低迷するわが国経済において新産業の興隆は焦眉の急であり、このことがひいてはわが国の経済発展を阻害することは否めません。正しい解決策を講じて速やかな対応を求めます。

以上

【本件に関する問合せ先】
日本バイオテク協議会 幹事長 関  誠
(アンジェスMG株式会社 執行役員 製品戦略部長)
〒108-0014 東京都港区芝五丁目20番14号 Tel: 03-5730-2480
又は
日本バイオテク協議会 事務局 菅谷 勉
(ノーベルファーマ株式会社 管理統括 兼 経営企画部長)
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町12番10号 Tel: 03-5651-1160
日本バイオテク協議会ホームページ:http://samurai-biotech.jp/


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